豊かな人間形成のために家庭教育はどうあるべきか

小学生新聞(奈良新聞社)に掲載されました記事をご紹介させて頂きます。

「豊かな人間形成のために家庭教育はどうあるべきか」

 

小学生新聞 2014年 春号

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「豊かな人間形成のために家庭教育はどうあるべきか」

子どもが生きる力を身に付けていく、
また豊かな人間形成をしていく過程において、
重要な役割を担っているのが家庭教育です。

基本的な生活習慣や、価値観、感性など、
人間形成を左右するものは、家庭での日常生活、
親の関わり方で、決まっていくことが多いからです。

子どもが将来の生き方や進みたい道を考えたとき、
今の日本ではほぼ志望校や資格という問題に当たります。

学習の能力が高いほど、その選択肢は広がり、
「好きな未来を選ぶ」という子どもの自由が増えます。

ですが、注意しなければならないのは、
学力を伸ばすことばかりに目を向け、
家庭教育が十分になされていない場合です。

それは反対に子どもを無気力にしたり、
後に学校や勉強嫌いに繋げる可能性もあるからです。

親は家庭で、躾や生活のリズムを整えさせたりするだけでなく、
人が困っている時、悲しんでいる時、どう接するか、
親の態度や姿勢を常日ごろから、見せておくのも大切です。

とりわけ、最も重要なことは、
「子どもの自己肯定感を育む」ということです。

これが築かれたうえで、躾を身に付け、
そしてそれらを土台として、初めて学習が実を結び始めるのです。

では、どうすれば自己肯定感を育めるか、具体的な例をあげてみます。

一 子どもが達成感を味わえるようなお手伝いをさせて、
「ありがとう!助かったわ」と声をかける。

これによって、子どもは「自分は必要とされている」と感じます。

二 子どもを叱るときは行動を注意する。

例えば、窓ガラスを割ったとき
「あなたは悪い子ね」という言い方ではなく
「窓ガラスを割る行為がいけないことなんだ」と叱ります。

前者の叱り方ですと、子ども自身を否定してしまいます、
ですので、子どもは自分の存在を否定的に捉え
「どうせオレなんか…」「いつも私ばっかり…」という
思いに陥ってしまうことが多くなります。

三 褒める時は行為を褒めるのではなく、子ども自身を褒める。

例えば、テストで良い点数を取ったとき、
点数を褒めるのではなく、頑張った姿勢を褒めてあげてください。

もし、点数のみを褒めると
「高い点数を取れないと、自分の価値は無い」と感じたり、
極端な場合、どんな手段を使ってでも点数を取ろうとすることもありえます。

そうではなく、試験に向けて頑張った姿勢や、
過去の本人と比べ伸びたことを褒めてあげてください。

そうすれば、努力することに喜びを感じ、
困難に出会ったときも努力で乗り切ることを覚えます。

文字を書くのが苦手な子どもでも、
鉛筆や消しゴムはきちんと筆箱に片付けているかもしれません。

運動会で走るのが遅い子も応援は、
一番大きな声で先頭に立ってしているかもしれません。

何かが苦手でも他の何かが得意なはずです。

毎日子どもを見ている親はそれに気が付いてあげてください。

子どもは「愛されている」
「必要とされている」
「認められている」と感じる環境で育つと、
自ら将来の目標や夢を持つようになります。

そして、それらの土台を築き上げるには
家庭教育が大きなカギを握っているのです。

 

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